なぜインベストメント鋳造を使用するのでしょう?

射出成形プロセスは、様々な設計要求に応えることができ、単一工法での複雑な形状の製品の大量生産が可能であるため、多くの産業で採用されています。プラスチック製品、グラスファイバー複合材、メタル鋳造などは、射出成形工程による大量生産が可能です。加工が難しい金属材料は、金属鋳造部品の精度や表面粗さの要求に応えるために、通常はロストワックス法(あるいはインベストメント鋳造法とも呼ばれます。)で加工が行われます。インベストメント鋳造は、高い強度と耐腐食性が求められる製品(ゴルフヘッド、人工関節、機械、バルブ、航空宇宙、船舶、自動車タービン部品など)の加工に用いられており、このような特殊プロセスは、二次加工のコストを飛躍的に削減できます。

課題

インベストメント鋳造工程は次の6段階に大きく分けられます。1) 射出成形によるワックス模型の製作 2) ワックス模型をツリー状に組み立て 3) 鋳型の作成 4) 脱ろう 5) 溶融金属を注ぎ入れて鋳型を固化 6) 鋳型を壊して鋳造部品を取り出す。ワックス模型の外観とサイズは鋳型の鋳造部品の仕様基準に直接的な影響を与えるほか、ワックス模型の製造効率も鋳造能力に大きく影響します。このワックス模型の製造工程には、いまだ解決されていない多くの問題や課題(ショートショット、フローライン、ヒケ、そり変形など)があり、これらの問題を二次加工で解消するために多大な製造時間とコストが費やされています。

Moldex3Dのソリューション

ワックスの性質は、射出成形プロセスで用いられるプラスチックや鋳造プロセスの金属の性質とは異なります。ワックスには比較的大きい体積収縮率があるため、ワックス模型が収縮しやすいという問題が発生し、この点もインベストメント鋳造工程における頭の痛い問題のひとつとなっています。また、ワックスは熱伝導率が低いため、ワックス模型に硬化不足やヒケの問題が発生しやすくなります。Moldex3Dのインベストメント鋳造ソリューション(図1と図2参照)では、プラスチック成形から精密鋳造の分野へと展開するプラスチック成形以外の金型設計ソリューションを提供します。また精密鋳造メーカーに対してはワックス射出条件の最適化をサポートし、成形プロセスにおける潜在的な不良品発生率を引き下げ、ワックス模型の収縮後のサイズを精確に予測することで、金型サイズの最適化を達成します。このほかにMoldex3Dの材料ラボでは、あらゆる材料を測定する能力(粘性、体積膨張率、熱伝達係数、比容積、比熱容量などのワックスの特性)を備え、インベストメント鋳造の総合的なソリューションを提供しています。

 
1 ワックス射出成形のメルトフロント段階
 
 
図2 ワックス収縮の様子

 

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