インド、ムンバイにある「電子機器測定/設計研究センター(IDEMI)」では、新型コロナウイルス対策として、新型コロナウイルスと戦う人々のために新しいフェイスシールドを設計しました。一般的に、フェイスシールドはほこりや飛沫を防ぐバイザー形状になっています。本事例で開発された製品は、医療従事者、警察、救急医療従事者、宅配業者といった疾病対策に関わる専門職の人々を効果的に保護することを目的としています。
IDEMIでは、Moldex3D(2020バージョン)を使用して、射出成形で製造されるフェイスシールドの設計を検証しました。プロセスで直面した課題は、優れた製品品質を得るために、射出成形における最適なゲート位置を特定することでした。IDEMIはフェイスシールドの設計とゲート位置をMoldex3Dで検証することにより、製品設計プロセスにおけるゲート位置をスピーディに最適化し、優れた製品品質を得ることができました。
Moldex3Dの流動解析により、従来の試行錯誤法を回避し、研究開発、製品構想、市場投入までの時間を最小限にすることができました。Moldex3Dを使用して、樹脂の充填、変形段階における挙動をシミュレーションすることで、IDEMIは製品プロセスでの変化をスピーディに把握し、製品品質を最適化することができました。
IDEMIについて
IDEMIは、電子機器業界のニーズに応え、設計と研究開発に特化しています。技術と知識を実際の製品設計と研究開発に転換し、それを独占することなく関連業界と共有することを主な目標としています。IDEMIの設計、研究開発分野における成果や関連情報は、ニュースレターや実際の展示といった方法で積極的に公開され、企業やメーカーから製品設計、研究開発の課題についてしばしばアドバイスを求められることもあります。IDEMIは、インドの科学技術庁 (Department of Scientific & Industrial Research :DSIR) から科学産業研究機関(Scientific and Industrial Research Organisation:SIRO) として認定されています。