コアテックシステム 技術サポートチーム チーフエンジニア 張文彦
コンピューター支援エンジニアリングソフトウェアは知的財産の一種であり、一般的にユーザーがソフトウェアを合法的に使用するためには対応するライセンスを取得する必要があります。財産を侵害から守り、効果的に使用するには、通常、ライセンスを一元管理するとともに、使用状況に応じて異なるアクセスレベルを付与する必要があります。
Moldex3D License Administratorにはライセンス管理者がより安全かつ効果的にライセンスの使用権限を割り当てることのできる、トラストマネージャー(Trust Manager)とリミットマネージャー(Limit Manager)の2つのツールが用意されています。トラストマネージャーではIPやユーザーごとに使用可能なライセンスの種類やモードを設定することができ、リミットマネージャーではさらに特定のIPやユーザーが使用できるライセンス数の管理も行うことができます。
トラストマネージャー – 接続ライセンス接続管理:
まず、Moldex3D-License Administratorを起動し、ライセンスサーバーに使用可能なライセンスがあり、有効になっていることを確認します。次に、Usersタブに切り替え、ユーザーリストを右クリックしてTrust Manager…を選択し、Trust Managerウィンドウを開きます。
PolicyのドロップダウンリストからTrust User Listを選択し、User@Hostに入力して下方のAddをクリックすると、そのユーザーがAllow Listに追加されます。
注:Policyのその他のオプションではLicense Administratorはすべてのライセンスリクエストを拒否/許可したり、異なるタイプのユーザー情報を確認したりすることができます。
Allow Listのユーザー名をクリックすると、Access ConfigurationリストでそのユーザーのライセンスサーバーでのAccess Modeを編集することができます。設定完了後は下方のApplyをクリックして設定を適用し、トラストマネージャーを閉じます。
ユーザーがオンラインでライセンスをリクエストすると、License Administratorはリクエストが許可されているかを確認し、トラストマネージャーのAllow Listで定義されていないユーザーとライセンスリクエストは拒否されます。ユーザーがPARALLELライセンスの使用を許可されていない場合に、複数のタスク(パラレルコンピューティング)の解析ジョブが送信されると、Console LogとLicense Administratorの両方に、PARALLELライセンスの取得に失敗しました。トラストマネージャーによって拒否されました、というメッセージが表示されます。
リミットマネージャー – 使用ライセンス数管理:
License AdministratorのUsersタブのユーザーリストで右クリックしてLimit Manager…を選択し、Limit Managerウィンドウを開きます。
まず、ドロップダウンリストから制限するライセンスモジュールを選択し、ライセンスの制限数を設定します。値は1からサーバーで使用可能なライセンス総数の間で設定します。次に、Typeのドロップダウンリストから制限規則のチェックタイプから、USER、HOSTNAME、IPADDRのいずれかを選択し、その制限名を入力後、Addをクリックして制限規則をリストに追加します。すべての制限規則を設定したら、下方のApplyをクリックして設定を適用し、リミットマネージャーを閉じます。
リミットマネージャーを使用すると、ユーザーごとにライセンス使用数を制御することができます。ユーザーがPARALLELライセンスの使用を1つに制限されている場合に、4タスクのFilling解析を実行すると、Console LogとLicense Administratorの両方に、1つのライセンスについてはPARALLELライセンスの取得に成功しました、というメッセージが表示されますが、残りの2つについては制限規則を超過しているためPARALLELライセンスの取得に失敗しました、というメッセージが表示されます。
同一ライセンスについて、ユーザー情報が同時に複数の規則に合致する場合、そのライセンスの制限は最初の規則が適用されます。