Moldex3Dのメッシュ生成ツールに、新機能”Auto Set Heat Conduction B.C. (自動熱伝導境界条件設定)”を実装しました。 この機能は、熱伝導面を自動検出します。
ホットランナーシステムでは、ホットランナー金属と金型プレートの間にはわずかな隙間があります。 この隙間は空気であり、ホットランナーと金型プレートを分離させるエアギャップとなっています。 エアギャップによってホットランナー金属からの熱損失を防止しています。 したがって、ホットランナーシステムは安定して高温度を保つことができます。 熱伝導面を除いて、ホットランナー金属から金型プレートへの熱伝達は発生しません。
しかし、ホットランナー金属は金型プレート内に固定された状態を保つ必要があります。 つまりホットランナー金属と金型プレートの接触面には熱伝達を発生させなくてはなりません。熱伝導面を定義して接触面からの熱損失を計算することで、解析結果の精度が向上します。
通常、CAE解析では、ユーザーが手動で熱伝導面の定義・指定を行います(図内赤色表示)。
Moldex3Dのメッシュ生成機能は、熱伝導面を自動的に抽出します。
ステップ 1: ホットランナー金属を近傍メッシュに変換。ホットランナー金属の特性を自動設定。
ステップ 2: 金型プレートを近傍メッシュに変換。
ステップ 3: Moldex3Dメッシュ生成ツールの ボタンをクリックし、金型プレートのメッシュを選択。 これにより、接触面を自動検索して”Heat conduction”(熱伝導)という名前で新しいレイヤーを作成します。
解析結果
新規作成された”Heat conduction”レイヤー。このサーフェースメッシュを選択し、 “B.C. – Heat Conduction Faces”(境界条件 ― 熱伝導面)として特性を定義します。