Moldex 3D Expertモジュールは、溶解温度や成形温度、冷却時間、フロー速度プロファイル、保圧圧力プロファイルといったプロセス条件を最適化するにあたり、適切な設定を設計者が検証する際に広く用いられている専門ツールです。
Moldex3D Expertモジュールはプロセスの最適化と実験計画法(DOE)解析だけにとどまらず、設計の最適化にも対応しました。Moldex3D Expertモジュールの設計最適化では、ランナーサイズとゲート位置の最適化が可能です;自動的にeDesignメッシュ(3次元メッシュ)を利用して最適化されたひとつ、あるいは複数のゲート位置を決定します。この優れた機能により、各ゲートの最小フロー長がわかり、フローバランスの向上にも役立ちます。
Moldex3D Expertモジュールを使用したゲート位置最適化のポイントを解説します。
ステップ1. Expert Runを選択します。
ステップ2. Design Optimization(設計最適化)から、Optimization for Gate location(ゲート位置の最適化)を選択します。
ステップ3. Design Variables(設計変数)を入力します。 ここで使用されるGate Optimization Method 1は、効率の良い反復計算から指定されたゲート位置について最も均質な充填時間を導きます。各Methodの基本概念はDesign Purpose(設計目的)に表示されます。Method 1の場合は”Minimum mean square of fill time”(充填時間の最小平均二乗偏差)で、これはパートモデルの節点計算から導きだしたもっとも均質な充填時間から、充填時間の最小平均二乗偏差を計算して最適なゲート位置を決定するものです。
ステップ4. 解析タイプに“AutoGate Analysis-AG”(自動ゲート解析)を選択し、最適なゲート位置結果を取得します。以下は充填時間の最適化結果を示した図です。反復計算後の充填時間の最小平均二乗偏差が反映されています。
元はランダムに配置されていたゲートに最適化計算を実施して決定された最適なゲート位置を図に示します。