CAE解析ソフトウェアの統合:圧縮成形プロセスの可視化技術

圧縮成形プロセスは生産性向上を十分に実現できることから、産業界の複雑な複合材料部品の製造において幅広く利用されています(Fig. 1)。なかでも、シート成形材料(Sheet Molding Compound/SMC)、グラスファイバー熱可塑性材料(Glass Mat Thermoplastic/GMT)、プリプレグなどの成形は、実際に最も使用される圧縮成形プロセスです。しかし、複合材料のレオロジー特性は固体挙動と液体挙動の両方をもつため、解析が難しいという問題があります。その原因は、市販の解析ソフトでは通常、液体挙動もしくは構造変形のどちらか一方に対してのみ演算を行う設計となっているためです。両方の挙動を同時に計算するには、非常に複雑な計算式を用いる必要があります。

Fig. 1 圧縮成形プロセス

シート状成形材料の圧縮成形プロセスの数値解析は、計算流体力学(Computational Fluid Dynamics/CFD)と計算構造力学(Computational Structural Mechanics/CSM)の2つの方法を統合して行われ、圧縮成形プロセスにおけるシート状成形材料の製品変形とフロー挙動の予測にそれぞれ使用されます。

このプロセスの解析には、FEAソフトウェアであるLS-DYNAと樹脂流動解析ソフトウェアであるMoldex3Dを統合し、圧縮成形プロセスにおけるCSMとCFDの挙動調査を行いました(Fig. 2)。LS-DYNAは、元の繊維形状、温度、応力、異方性材料特性を計算します。LS-DYNAの計算結果をMoldex3Dに反映し、圧縮成形解析を行います。フローと反り変形の解析結果の統合により、圧縮成形におけるシート状成形材料の複雑な挙動の解析が可能になります(Fig. 3)。

Fig.2 LS-DYNAとMoldex3Dの統合フローチャート
Fig. 3 圧縮成形プロセスにおける反り変形の解析

この機能はMoldex3D R15.0の画期的な新機能です。LS-DYNAとの統合により、圧縮成形プロセスの各工程におけるシート状成形材料の総合的かつ正確な解析が可能となりました。LS-DYNAでシート状成形材料の変形挙動を計算し、Moldex3Dで液体挙動および繊維配向を計算することで予測精度が向上し、製品設計とプロセス設計に有用な信頼性の高いデータを得ることができます。


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