熱硬化性プラスチック射出成形と示差走査熱量測定法

熱硬化性プラスチックは高温で固まります。これは分子鎖間の3Dネットワークを形成する架橋反応が原因です。ICパッケージでのEMCや、トランスファー成形のABグルーであっても、充填完了時にすぐに固まる適切な材料を選択することが、熱硬化性プラスチック成形の一番目の課題です。

Moldex3D 材料ラボの新たな DSC (Perkin Elmer Instrument DSC 8500) は、熱硬化性プラスチックの完全な反応度曲線を提供します(図1参照)。 架橋結合の度合いは反応によって発生する熱量に影響するだけでなく、材料の粘性にも直接影響します(図2参照)。 低い反応度では、温度が上昇することにより、(熱可塑性プラスチックと同様に)熱硬化性プラスチックの粘性は減少します。温度がある温度に到達すると、反応度が急激に増加し、架橋による粘性が急激に上昇します。(U字曲線で表されます)

Moldex3D材料ラボは、熱硬化性プラスチックのせん断粘度の正確な値を提供します。これを使って成形条件、フローフロントの進行、成形時間、温度などを最適化できます。

Moldex3D材料ラボは、比熱と熱伝導率の正確な値を提供します(図3参照)。これにより、正確な熱伝達と金型/樹脂間の温度分布を予測します。これはサイクル時間や製品品質の最適化に役立ちます。

図 1.  熱硬化性プラスチックの反応度曲線
図 2.  Shear viscosity of thermosetting plastics
図 3.  Heat capacity at different temperatures

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