Ann Tong Industrial Co. は 1989年に設立されました。当初 Ann Tong 社はホットランナーをスウェーデン、韓国、日本、ドイツなど海外から輸入し、台湾で販売していました。しかし、台湾需要が海外製品と異なるため、 Ann Tong社は 2001年に自社ブランドを開発する決意を固めました。台湾で最初のホットランナー製造会社となりました。 (記事: Ann Tong Industrial Co. www.hotrunner.com.tw )
今日、私たちは分秒を争う環境保護を意識する時代になっていますが、射出成形やプラスチック成形業界においては、ホットランナーがまさにホットな話題です。ホットランナーは生産性を改善するだけではなく、ムダを省くと同時に金型の価値をより高めることができます。現在、流動解析ツールを使用し、型業界でホットランナーが応用されつつありあmす。そこでここではMoldex3D を使用した、自動車アクセサリ、家電製品や食品産業での3Cプラスチック製品に対するホットランナーの例をとりあげます。
(1) 3C 製品-ラップトップPCの上カバー
ラップトップPCの上カバーの特徴はゲートの位置とサイズです。ゲートの位置は材料の流れのバランスに影響しますしサイズは保圧に影響します。このホットランナーシステムとCAE流動解析のコンビネーションにより、時間とムダが激減し、高品質の製品が提供されます。(図. 1)
図.1 ラップトップPC上カバー
(2) 3C 製品-スキャナーカバー
プラスチック材料は容易に圧縮されます。従って矩形の部品に対する不正なゲートの位置設計が、製品の寸法を変える可能性があります。ホットランナーとバルブゲートを共有することで、矩形部品を高精度で同じ寸法で射出成形し、しかも滑らかな姿に成形されるように助成するだけではなく、ウェルドラインを効果的に回避することができます。 (図. 2)
図.2 スキャナーカバー
(3) 自動車アクセサリ-フロントバンパー
大きなプラスチック製品にはトン数の大きな機械が必要となりますが、ホットランナーにより効果的に射出圧力や保圧を減らすことができます。従ってそのような製品に対して型締め力の小さい機械を使用することが可能になります。また、大きな製品の射出成形で良く起こる流れのバランスの問題を Moldex3Dで適正な部位の検索とシミュレーションで解決できます。 (図. 3)
図.3 フロントバンパー
(4) 家電製品-2槽式洗濯機
2槽式洗濯機は1槽式のものよりも容量も大きく、深さもあり、厚み配分もかなり違うことから、底の部分のゲートの位置がウェルドラインに影響し、いくつかのゲートから樹脂が流れ込んだ場合、同時に出会うことになります。しかしCAE解析によれば、より良いゲートの位置を素早く割り出せるだけではなく、流れのバランスも良く、高品質な製品が製造可能となります。 (図. 4)
図.4 2槽式洗濯機の本体
Ann Tong社での成果
Moldex3D 流動解析を用い、Ann Tong社のホットランナーシステムは、生産性向上を果たし、製品品質も向上しました。