射出成形シミュレーションにおけるバレル圧縮挙動の考慮

Moldex3D技術サポートチーム エンジニア 葉承杰

実際の射出成形と流動解析の比較において最も重要な手順は、流動解析に入力されるデータを実際の射出プロセス条件と可能な限り一致させることであり、その中でもより重要なのが、射出装置動作モデルの構築となります。従来の射出成形シミュレーションでは、バレルの運動を単純に溶融材料にかかる速度と圧力に変換していましたが、プラスチック材料の流動挙動が極端に単純化され、バレル内部の高温と圧縮率の明らかな変化(粘度とPvTを含む)について十分に考慮されていません。そのため、充填と保圧段階のシミュレーションにおいて、バレル内の挙動を考慮に入れることができれば、より詳細な樹脂流動の動的挙動とより正確な射出圧力予測を得ることができます。以下では、Moldex3Dのシミュレーションにバレル圧縮の影響を含める方法について説明します。

バレル圧縮によるフローレートの変化

操作手順

制限事項

プリプロセス:

  1. Moldex3D 2020では、Rhinoで3Dバレル圧縮メッシュの生成に使用できるのはMoldex3D Meshのみです(Studio 2021ではノズルゾーンウィザードがサポートされます)。
  2. ノズルゾーンは六面体(Hexaメッシュの生成が推奨されます。
  3. マッチングメッシュ(Matching Meshのみをサポートしています。
  4. 冷却解析はStandard Cool解析のみ対応し、Fast Cool解析は対応していません。


プロジェクト:

  1. Moldex3D Studioでは設定と解析のみをサポートしています。
  2. 射出成形プロセスと装置モードの使用のみをサポートしています。
  3. 3Dバレル圧縮ゾーンのシミュレーションは冷却解析結果の表示にまだ対応していません。

ステップ1:Moldex3D Meshの属性設定

以下の属性は3Dバレル圧縮の基本要件となります。

1. “Nozzle Zone”ソリッドメッシュ

2. “Moving Inlet”サーフェスメッシュ

3. “Nozzle”ソリッドメッシュ(露出したコールドランナーを覆うため)

必要に応じて以下の属性を設定することができます。

  1. Screw
  2. Check Ring
  3. Nozzle(モデル全体)
  4. Barrel

ステップ2:プロジェクトの設定

Studioで射出成形プロジェクトを準備し、成形条件の装置パラメータフィールドに装置情報を入力します。

射出成形シミュレーションの他の解析設定を完了し、計算のために送信します。

ステップ3:結果

Moldex3Dは、充填、保圧プロセスおいて、バレル圧縮を受けるスクリュー先端とノズルのプラスチック材料の挙動をシミュレーションすることができます。

バレル内にメルトフロント時間、パーティクルトレース、繊維配向結果を表示することができます。

メルトフロント時間

パーティクルトレース

繊維配向(断面)


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