Moldex3Dでの流体アシスト射出成形におけるプッシュバックプロセスのシミュレーション方法

コアテックシステム社 アシスタントプロダクトマネージャー 鍾旭帆

ガスアシスト射出成形/水アシスト射出成形(GAIM/WAIM)は、製品品質を向上させ、材料、コスト、製品重量の低減を可能にすることから、幅広く活用されています。ガス/水の射出段階では、ガスはより厚肉領域(抵抗の少ない)に流れ込むことで製品中心部が中空になり、成形プロセスが完了すると、軽量の中空製品ができあがります。このプロセスは流体の注入時間によってショートショット法、フルショット法に分けられます。

フルショットプッシュバック(Push-back)プロセスでは、反対側からガス/水を注入して溶融樹脂をノズルに押し込みます。プッシュバック技術を利用することで、オーバーフローエリアの設置が不要となり、プッシュバックされたプラスチック材料を再利用することができ、これによりプラスチック材料のロスを大幅に低減することができます。また、プッシュバックプロセスではGAIM/WAIMで一般的に発生するフローマークなどの成形不良を回避することもできます。

Moldex3DのGAIM/WAIM機能はプッシュバックプロセスのシミュレーションをサポートし、コアアウト(Core-out)効果を最適化する溶融樹脂と補助流体の注入口を設計することができます。Moldex3Dは設計初期段階における潜在的な成形不良の評価に役立ち、補助流体がシリンダに過度に押し込まれるリスクを回避します。以下のステップでプッシュバックプロセスを含むGAIM/WAIMシミュレーションの実行方法を説明します。

ステップ 1 Moldex3D StudioでGAIMプロジェクト(補助流体が水の場合はWAIM)を作成し、プッシュバックプロセスに適したガスと溶融樹脂の少なくとも2つの注入口(通常は別々の側にあります)を持つモデル(MFE)をインポートします。溶融樹脂注入口、ガス注入口、プラスチック材料を選択すると、Moldex3Dはデフォルトの成形条件と計算パラメータを自動的に作成します。

ステップ 2 ホームタブの成形条件(Processをクリックして成形条件ウィザードを起動します。流動/保圧設定タブで流動、保圧、ガス設定を指定し、溶融樹脂とガスが注入口からキャビティへ入るタイミングと方法を選択します(通常の射出成形シミュレーションプロセスと同様です)。

注意:プッシュバックプロセスはフルショット法を使用する技法であるため、キャビティへのガス注入時には、キャビティが溶融樹脂で満たされていることを確認してください。

ステップ 3 溶融樹脂注入口の保圧設定セクションで、プッシュバック設定(Push-backYesに変更してプッシュバックプロセスシミュレーションを有効にします。次にプッシュバック開始時間(Push-back start timeプッシュバック継続時間(Push-back duration timeの値を指定し、ノズルが開く時間と溶融樹脂プッシュバック時間を確定します。

ステップ 4 すべての解析設定が完了したら解析シーケンスとして流動&保圧(Filling & Packing, F/Pを選択し、計算のため送信します。計算終了後、結果をMoldex3D Studioにダウンロードして各項目の結果を確認し、コアアウト率などの項目の設計効果を評価することができます。プッシュバック設定を有効にしていない(下図のオレンジ色の線)場合と比較すると、プッシュバックプロセス(18秒で開始)は最終的にコアアウトする結果になっていることが確認できます。

 


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