Moldex3D 2020でソルバーを最適化して計算時間を30%短縮

編集:Moldex3D 製品R&D部門シニアエンジニア 陳彦志

AI化が進む中、ビッグデータ処理へのニーズの高まりにより、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)プラットフォームやデバイスの開発が急速に進められています。流動解析の分野においては、従来のハードウェア仕様の性能不足による制限を受けることはなくなり、プラスチック製品の開発段階において、HPCプラットフォームを利用することで、流動解析を幅広く活用することができるようになります。

しかしながら、製品とプロセスが複雑化するにつれ、膨大なメッシュ数と正確な流動解析にはより多くの計算時間が必要となり、また、金型試作のシミュレーションを繰り返すことで、製品開発サイクルも長期化することになります。流動解析を加速し、製品設計をスケジュール通りに完了させるためには、しばしば計算効率と精度のどちらかを選択する必要性に迫られます。

新バージョンのMoldex3D 2020では、ソルバーの内部プログラムを最適化することで計算効率が大幅に上昇し、同じハードウェア仕様であっても、ユーザーはよりスピーディに解析結果を得ることができます。以下では500万、1200万、2000万のメッシュ要素のモデルに対しバージョンR17と2020での充填解析時間を比較しています。図1ではAMD EPYC 7302 プロセッサーのCPUを使用しています。8コア、16コア、32コアでの計算において、2020バージョンでは計算時間をそれぞれ33%、29%、20%短縮することが可能となります。

図1 Moldex3D 2020とR17バージョンの充填解析時間の比較(AMD EPYC 7302 プロセッサー)

図2ではIntel Core i9-9900X CPUを使用し、このCPUは10コアとなります。計算構造では、4つのIntel CPUがコンピュータ・クラスターを介して接続され、8コア、16コア、32コアでの計算において、2020バージョンでは計算時間をそれぞれ50%、27%、15%短縮することが可能となります。クラスターコンピューティングは、ネットワークの伝送速度の制限を受けるため、16コア、32コアの計算時間はそれほど短縮されません。

図2 Moldex3D 2020とR17バージョンの充填解析時間の比較(Intel Core i9-9900X CPU)

Moldex3D 2020でソルバーを最適化することにより、同じ計算環境、メッシュ要素数、プロセス条件で計算時間を平均30%短縮することができます。ユーザーは限られた開発期間内で流動解析の効率を向上させ、製品開発プロセスを加速することができます。


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