ドレーピング工程において、直交異方性材料特性を持つプリプレグの繊維配向は変化し、更に製品の強度と反りの挙動に影響が及びます。プリプレグの技術発展に応じるため、Moldex3D のマルチコンポーネント成形(MCM)モジュールでは、インサートパーツの直交異方性材料設定をサポートしています。投射処理を利用してドレーピング工程の繊維配向及び関連する材料特性の変化を表すほか、前の射出インサートパーツ設定も考慮されています。ユーザーは、プロジェクト内にすでにある直交異方性材料データを編集・使用することができ、シミュレーションにおいて繊維配向が影響を受けるプリプレグ機械特性を完全に考慮することができます。
ステップ 1. 計算パラメータ設定のマルチコンポーネント成形タブで直交異方性材料を指定し、直交異方性材料特性(Orthotropic Material Properties)の設定(Setting)をクリック選択すると作業ウィンドウが表示され、直交異方性材料特性を指定または修正します。すでに直交異方性材料が指定されている場合は、ユーザー定義プロパティ(User-defined properties)にチェックマークが入ります。
ステップ 2. 作業ウィンドウで、ユーザーはインサートパーツの直交異方性材料データを追加、指定、入力または削除することができます。 材料プロパティの作成(Create Property)をクリック選択した後、ターゲットのインサートメッシュを選択してプロパティ名と2つの主軸方向を指定し、パラメータメニューを展開することで各軸方向の機械特性パラメータと拡張パラメータを編集することができます。
注:主軸とはインサートパーツ繊維のプリプレグ処理前の2つの主要方向を指します。
- 入力(Import property)をクリック選択して直交異方性材料データを入力し、材料ファイルとインサートパーツのターゲットメッシュを選択します。
- 削除(Delete property)をクリック選択して削除したいプロパティ項目を選択し、直交異方性材料データを削除します。
- 右キーでプロパティ項目をクリック選択し、インサートパーツ変更(Modify part insert)を選択すると、直交異方性材料のカバー位置を再指定することができます。
- プロパティ変更(Edit property) をクリック選択すると、直交異方性材料特性を編集できます。
ステップ 3. をクリック選択してプロジェクト設定に戻ります。ユーザー定義プロパティにチェックを入れ、確認をクリックして設定を完了すると分析が始まります。
ステップ 4. ユーザーは同様の方法で、ダブル射出工程において同一のプリプレグインサートパーツ上で第2射出の直交異方性材料設定を行います。計算パラメータ設定のMCMタブで、前の射出グループを参考にするにチェックを入れ、代入前の射出インサートパーツ計算データのプロジェクトとグループを指定します。
ダブル射出工程の反り分析結果
前の射出を参考にする | 前の射出を参考にしない |