温度差異と収縮差異の影響は、製品変形の主要な要因です。よってこれがそり変形にどのような影響を及ぼすのかを検証できれば、そり変形問題を改良する方法をよく理解できるようになります。最新版の Moldex3D R13では、変位の解析結果で温度差異と収縮差異の影響を別々に検証できます。
Step 1: 解析を実行する前に、計算パラメータウィンドウを開きます。Warp タブの下の Consider differential temperature and shrinkage analysis にチェックを入れます。
Step 2: 解析実行後、 温度差異による変位と収縮差異による変位の結果をそり変形解析結果から利用できます。
Consider differential temperature and shrinkage analysisにチェックを入れると、
そり変形解析結果のリストはこのようになります
Consider differential temperature and shrinkage analysis にチェックを入れないと、
そり変形解析結果のリストはこのようになります
Step 3: 以下のケースでは、収縮差異の影響のほうが温度差異の影響よりも製品変形に影響を及ぼしていることがわかります。つまり、そり変形を軽減するためには、主に収縮差異の影響を考慮する必要があります。
温度差異の影響による変位 収縮差異の影響による変位
P.S. 1. 温度差異の影響による変位は、厚み方向に沿った体積収縮差の計算で算出されます。温度差異の影響による変位は、平面外のそり変形で表わされます。
P.S. 2. 収縮差異による変位は、同じ切断面の厚み平均体積収縮分布で算出されます。収縮差異による変位は、PVT 分布による平面内の収縮で表されます。