冷却段階は射出成形において、品質や生産時間の面で非常に重要な作業工程です。Moldex3D冷却回路解析機能は、効率的な冷却回路システムの設計と検証をサポートしています。Moldex3Dの3D Coolant CFD(ソリッド冷却回路)解析テクノロジーでは、冷却回路における冷却水の挙動をシミュレーションすることができます。ストリームライン、速度ベクトルなどのさまざまな解析結果を基に、冷却回路の設計最適化が可能となります。
また、冷却回路とプロセス設計の完了後には、適切な金型温度調整機を選択することも重要です。冷却シミュレーションの結果は重要な参考基準となりますが、Moldex3Dの冷却回路解析は金型温度の調整に直接役立つより踏み込んだ情報を提供します。Moldex3Dの金型温度調節の評価に関しては以下の手順を参照して下さい。
Step 1: 冷却システム(Auto-Gridまたは標準冷却)を含むモデルを準備し、解析Runを作成します。計算パラメーター設定画面で冷却回路解析(冷却回路ネットワーク解析または3Dソリッド冷却回路解析)の実行オプションを有効にします。
注:線要素として定義された冷却回路では冷却回路ネットワーク解析を有効にすることができます。2D/3D冷却回路モデルでは3Dソリッド冷却回路解析を有効にすることができます。
計算パラメーター設定画面:冷却回路解析を選択
Step 2: そのほかの解析設定を完了し、サイクル平均(C)または非定常(Ct)冷却解析シーケンスを実行します。シミュレーションが完了したら、グループパスにあるAnalysisフォルダ内のLGCファイルを開き、<Mold Temperature Controller Reference>ブロックを確認します。
グループパス:冷却解析後のLGCファイルを確認
Step 3: ここでは、最大圧力降下、総流量、異なる冷却水注入口の個別データを確認する事ができます。これらのデータを使用して金型温度調整機を選定する場合は、数値はすべて仕様で定められている最大値以下でなくてはなりませんが、その差が極端になりすぎないようにする必要があります。
モデル | 最大圧力 (bar) | 最大流量 (L/min) | 状態 |
A | 0.09 | 15.0 | NG |
B | 0.16 | 45.0 | OK |
C | 0.24 | 120.0 | OK |