正確な解析結果を得るには、高品質のメッシュ生成が必要不可欠です。しかし、高品質のメッシュの作成には時間がかかります。 高速かつユーザーにとって使いやすいメッシュ生成機能を実現するため、Moldex3Dは新たなプリプロセスモジュール Designer BLM (BLM=Boundary Layer Mesh/境界レイヤーメッシュ)を開発・実装しました。 本モジュールの実装以来、強力で高品質なメッシュ生成機能としてユーザーから高く評価されています。
さらに、最新バージョンのR13.0のリリースにあたって、Moldex3D Designer BLMモードの機能を拡張し、ユーザービリティを従来よりも強化しました。今回は、Designer BLMの拡張された機能の内、特に重要な機能にスポットを当てます。
- 高効率ソリッドメッシュ生成機能
新バージョンでは、従来不可能であった、ランナーや冷却管データのCADからの直接のインポートに対応しました。 今回、Moldex3D Designer BLMモードは、複雑なランナー・冷却管の設計においても、メッシュの修正や単純化を不要とする、完全なるメッシュ生成機能をサポートしました。 この改善によって、メッシュ生成時間が短縮されたばかりではなく、充填および冷却時のフロー予測の精度がさらに向上しました。
Fig. 1: 左:ランナーのソリッドメッシュ、右:温度分布解析結果
Fig. 2: 複雑な設計の冷却管の高精度の解析(Moldex3D Designer BLMによる)。
左:全体の設計、右:3Dソリッドメッシュ
- Fix Wizardによる高速メッシュ生成
Designer BLM は、BLMメッシュの自動生成後、低品質なメッシュの有無をユーザーに通知します。 フリーエッジやT-コネクトエッジ、重なった要素等が検出され、ユーザーはFix Wizardを利用することで該当するメッシュの適正化や修正を行えます。 Fix Wizardは迅速な低品質メッシュの修正が可能で、メッシュの品質向上を図り、解析結果の精度向上を助けます。
Fig. 3: フリーエッジ、T字接続エッジ、要素の重なり等、低品質メッシュのFix Wizardによる修正
- ダイナミック成形工程のサポート
Moldex3Dは、Designer BLMモードの機能を拡張し、多様な成形プロセス(マルチコンポーネント成形(MCM)、3D冷却管、圧縮成形、粉末射出成形(PIM)、MuCell®、ガスアシスト射出成形、ウォーターアシスト射出成形、コ・インジェクション成形、バイ・インジェクション成形)に対応しました。 この強力な機能は、高品質なメッシュを生成するだけでなく、金型設計および組立工程を高速化します。 - 自動リファイン機能の強化
最新バージョンのR13.0では、自動リファインのカーネル機能をさらに強化しました。メッシュ品質とワークフローの効率が向上し、BLMメッシュの成功率が向上しています。
Fig. 4: Moldex3D R13.0 ― 自動リファイン機能の強化によるメッシュ品質の向上(赤の矢印)
Moldex3D R13.0の Designer BLMの詳細は、Moldex3D R.13 リリースページ またはDesigner BLM 紹介ビデオ( こちら)をご覧ください。