連続繊維複合材製品は強化材として異方性繊維を使用しますが、その異方性は最終製品の機械的強度に影響します。製品の設計段階では、製品に必要な機械的強度に基づいて積層数と順序を設計します。ドレープの強化材の違いは、樹脂トランスファー成形(RTM)プロセスにおける樹脂流れと反り変形挙動に影響します。
Moldex3D R16 のRTM Warp機能を用いた製品の反り変形解析により、繊維のドレープ方向が製品の反り変形に与える影響を評価できます。異方性繊維を強化材として使用するため、モデル作成時には、異方性材料特性の設定だけでなく積層設計に基づいた積層配向を設定する必要があります。Moldex3D RTMウィザードは積層配向の指定とモデル作成に対応しています。また、材料ウィザードで直交異方性の積層材料の機械特性を設定することで、反り変形解析を行うことができます。
RTMウィザードで設定した2組の異なる積層方法:(0°/0°/0°)と(0°/90°/0°)をFig.1に示します。Fig.2は、材料ウィザードでのプライの機械特性設定です。Fig.3は、最終的な反り変形解析結果です。
Fig.1 RTMウィザードでの積層方向設定
Fig.2 樹脂と積層の機械特性の設定
Fig.3 積層方向が反り変形解析結果に与える影響
Moldex3D R16 RTM Warpは直交異方性の材料モデルに対応しており、ドレープの異なる積層方向が反り変形結果に与える影響を予測することができます。また、事前に生産性を評価可能であることから、プロセス条件の最適化に要する試作回数の削減に貢献します。