繊維の破損が射出工程で発生することは良く知られていますが、極端な繊維の破損は、ゲート位置の調整や成形条件の調整で防ぐことが可能です。 Moldex3D R12の繊維配向解析モジュール(Fiber) に、新しく平均繊維長の確認機能が追加されました。平均繊維長の確認は、本数平均(数による)と加重平均(重量による)のふたつで検証いただけます。
この平均繊維長確認機能は、統計結果を基にしており、長い、もしくは、重い繊維の本数が、破損して短くなった繊維の部分の本数より多い場合には、重量による平均繊維長の予測値は、数による平均繊維長の予測値よりも高い数値になります。
充填時の平均繊維長(数による):表面の細かい繊維長の変化が確認出来ます。
断面図を使用し、部品内部の繊維長分布をより詳細に観察できます。
この検証結果から、樹脂がキャビティに入った後最短距離を移動するので、ゲート付近の繊維長が最も長く、破損の可能性が低いことがわかります。 繊維長の分布は、特に長繊維を使ったFRP(繊維強化プラスチック)の機械的特性に影響があります。このように、平均繊維長確認機能は、製品の繊維長分布を効率高く確認できる機能です。