なぜ繊維配向解析を使用するのでしょう?
繊維強化プラスチック(FRP)は工業における主要素材として幅広く利用され、重量を大幅に変化させることなく耐熱性や機械的特性を強化することができます。その中でも、繊維の長さ、繊維配向、繊維濃度はこれらの特性に大きな影響を与えます。繊維の長さを伸ばすことにより部品の強度が飛躍的に向上し、それと同時に成形プロセスにおけるせん断流れが繊維配向に影響し、プラスチック材料の異方性が発生します。そのため、設計の最適化と成形条件の変更において、製品品質の安定性を維持するための繊維長さと配向の予測が非常に大きな意味を持つこととなります。
Moldex3D Fiberモジュールは、精確で詳細な3D繊維配向シミュレーションを提供し、繊維強化部品の異方性収縮を制御するのに役立ちます。また、繊維配向から生じる機械的特性の差を、Moldex3D Fiberモジュールによって可視化、分析し、そり変形の予測を行うことができます。このような繊維配向と異方性収縮の的確な予測によって、そり変形の制御、コストの削減、強度の向上といった目的を達成することができます。
課題
- 短繊維と長繊維の繊維強化プラスチックの繊維配向、破断長、濃度の予測
- 繊維の長さ、直径、濃度を設定した収縮やそり変形の評価
- 部品とウェルドライン部分の強度の制御
- 様々なフィラーの指向シミュレーションのサポート(短/長繊維、フレークなど)
- 異方性の熱特性や機械的特性の考察
Moldex3Dのソリューション
- 繊維強化複合材料モジュールの使用による異方性特性の分布(弾性率、線形熱膨張係数(CLTE)、機械的特性など)を予測
繊維配向予測
繊維配向の動的スライス
- Folgar-Tuckerモデル、ARDモデル、iARD-RPRモデルを使用したMoldex3Dの繊維配向解析
- 改良された異方性回転拡散(iARD)技術と主要遅延率(RPR)モデルを統合
- Moldex3Dの特許取得済みモデリング方法のiARD-RPRを採用
- 高速演算:4次配向テンソルの閉形演算モデル(Closure Form)が新たに開発され、繊維配向演算を最大40~50%の高速化を実現。さらに注入条件の指定が不要。
- マトリックス構造や繊維柔軟性などを考慮し、長繊維配向に見られる特徴を評価
- より少ないモデルパラメータで、短/長繊維に適切なデフォルトパラメータを提案
- コア部分の結果精度の強化
繊維配向予測:Moldex3Dの結果と実験結果がほぼ一致
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繊維長さ分布の予測
- 充填段階における繊維長さ分布の可視化
- ゲート部分の繊維破断現象の観察
長繊維分布(初期繊維長さ:8.5mm)
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フレーク配向解析のサポート
- フレーク配向に基づく機械的特性とそり変形の予測
- 部品表面のフローマークやウェルドラインの予測
Dynamic slicing of flake orientation
- Moldex3D FEAインターフェースとMoldex3D Digimat-RPから異方性の熱特性・機械的特性を出力し、構造解析に利用することができます
業界への応用
電子、自動車、医療、消費者向け製品
Moldex3Dの推奨製品
- Moldex3D eDesign Basic Package
- Moldex3D eDesign Package
- Moldex3D Professional Package
- Moldex3D Advanced Package